産後の骨盤矯正で腰痛や肩こりも良くなるの?整体でできることって?
産後骨盤矯正という言葉の魔法
産後の骨盤矯正は古代からあったのでしょうか?世界中で施されているのでしょうか?骨盤矯正しなかった人はみんな太ったり、どこか痛くなったり、姿勢が崩れたりしてるのでしょうか?産前産後を通じて大きな問題がなければ、通常は出産後の母体は自然に回復するものです。
矯正ってちょっとポキポキするイメージだけど…?骨盤ベルトもキュっと締め付けて苦しそうだけど…。でも骨盤を閉めないと太るでしょ?おばさん体型になりそうだし、腰痛や肩こりが治らなくなるかも?でも骨盤矯正していれば安心!そうだ!安心感が得られる魔法の言葉なのかもしれない。
ムギュムギュ・ポキポキ施術でそんな簡単に人間の骨盤は動くのでしょうか?そんな簡単に動くのでしたら、ジャンプしたり自転車に乗っている時の段差でガタガタしただけですぐに動いてしまうのではないでしょうか?もちろん事故で負傷したり激しい暴力を受けた場合には、筋や腱の損傷や骨折等でもっと動く場合もありますが…。通常骨盤はそんなに簡単には動きません。動いてもせいぜい数ミリ以下の話です。じゃあなんで骨盤矯正という言葉がこんなに浸透したのでしょうか?
それは節分の恵方巻やバレンタインデーのチョコレートプレゼントと同じようなところがあります。手技療法家が集患のために表現し始めた言葉が何十年も積み上げられ、一般の方に当たり前に認知されてしまったようです。産後に関わらず、自分が太っているのが骨盤矯正さえすれば痩せるんだとか、腰痛も肩こりも骨盤の歪みが原因で骨盤矯正したら治るんだとか、手技療法家が分かりやすくちょっと大げさに表現しているです。
そうと聞いても鏡で見ると骨盤の高さが違うのが自分でも分かると言われるかもしれません。それは骨盤の骨自体の歪みではなく、骨盤を支える筋肉のアンバランスで生じた高さの違いということです。なので日中で一番長くしている姿勢が影響してきます。筋肉のアンバランスとは普段あまり使われなくて弱くなっている筋肉とよく使って強くなっている筋肉が、例えば左右差が大きすぎたりすると、見た目に骨盤が歪んで見えたり、何らかの不快症状となって表れてくるということです。(本当の関節疾患等を除く)骨盤の前傾や後傾は骨盤だけの問題ではなく脊柱等も関わってきますし、肋骨を含む胸郭の捻じれや頸椎・頭蓋骨なども骨盤のあり方に関係してきます。特に股関節は関係が深いです。また元々骨格的に骨盤の形や大きさが左右違う場合もあります。
産後の体の回復にはホルモンがポイント
出産時に骨盤を緩めて産道から赤ちゃんを誕生させるためにリラキシンというホルモンが一気に増えます。そして無事に出産を終えると、大体4~6ヶ月で徐々に減ってきて元に戻ります。また母乳を作り出すプロラクチンというホルモンや分泌を促すオキシトシンというホルモンも赤ちゃんの生育や母体の回復には必要です。特にオキシトシンは子宮の収縮を促す作用もありますので大切です。このように骨盤の緩みはホルモンの影響が一番大きいので、当院の産後骨盤ケア整体では、産後のホルモン分泌を順調にするということを考えて施術しています。
オキシトシンホルモンはしあわせホルモンと呼ばれるように、幸せを感じる時に脳の下垂体というところから分泌されます。受精卵が細胞分裂する時に同じ外胚葉から脳と皮膚ができたので、ルーツが同じで関係性が強いといわれれます。心地よい肌の触れ合いがオキシトシンの分泌を促します。ママがしんどくならない程度に赤ちゃんやパートナーなどと触れ合いましょう。
ストレスが強くてツラい時にはオキシトシンの分泌量も減ってしまい、逆の作用のストレスホルモンが多く分泌されて交感神経優位になってしまい、体が硬くなってしまいます。体が硬くなると血液などの体液の流れも悪くなりますので、本人の自覚症状で肩こりだったりむくみだったり疲労感だったりを感じるようになります。
ストレスの要因はたくさんあります。赤ちゃんは待ったなしなので、ママはいつでも気が休めません。産後の回復途中の体ではいつもよりしんどく感じてしまいます。赤ちゃんのお世話や家事に明け暮れたり、睡眠不足、今までとは違う生活リズムや人間関係で、すごいことをしている訳ではないのに身も心もどっと疲れてきます。幸い今では整体やジム等々…色々なサポートが選べますので、幸せホルモンが順調に分泌されるよう上手に利用するとよいでしょう。
産後の骨盤の回復には体幹が大事
すべてがホルモンで解決すればいいのですが、筋肉を増やすには筋肉を鍛えるしかありません。そうです、運動嫌いにはやりたくないあれ=筋トレです。ただ産後は前述のようにデリケートな体ですので、一般の方には産後4~6ヶ月はハードな筋トレはおススメしません。特に産前産後のママ8割以上 が軽いものを含めて腹直筋離開という状態になっています。妊娠中にお腹が大きくなることで腹筋群が引き伸ばされてしまい、腹直筋(シックスバックの筋)の真ん中の白いところ(白線=腱膜)が伸びきって元に戻りにくい状態です。物理的に伸ばされるので誰にでも起こり得ることですが、ママの年齢が上がるほど戻りにくくなります。
こんな時に筋トレしたらいいのでは?と思うかもしれせんが、非常にデリケートな産後のママの体です。無理にハードな筋トレをすると余計に戻りにくくなったり、傷めてしまう場合もありますので、がむしゃらに筋トレするのは止めましょう。
インナーマッスル、アウターマッスルという言葉を聞いたとがありますよね。アウターマッスルは体の表面に近いところにあり、自分で動かせる筋肉です。筋トレしやすい大きな筋肉で、例えば物を持ったり、歩いたりするときに使われます。インナーマッスルは体の9割を占める深いところにある筋肉ですが、アウターほど大きくないので、量的には同じくらいです。自分で意識して動かしにくい筋肉で、長時間の骨格や内臓を支えたり、代謝に関わったりします。インナーマッスルのうち、手足を除いた体幹の腹腔の部分をインナーユニットといい、横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群が支えています。難しいところはとばしてもらって、そのインナーユニットを鍛えることが、産後の体の早い回復や不調をなくすもうひとつのキーポイントだといえます。
前述の骨盤を支える筋肉のアンバランスも、体軸を整えて姿勢が良くなった状態で動くことで、自然とバランスが取れてくるのです。ただインナーユニットは自分では意識しにくい筋肉なので鍛えるのはちょっと難しいです。
すぐできる!ラクラク産後骨盤体操
それは骨盤を立てて正しい姿勢で座り腹式呼吸をやる、ということです。
腹式呼吸が出来たら、逆腹式呼吸もチャレンジしてみてください。
たったこれだけです!腹式呼吸でインナーユニットにに刺激を送ります。当院では日本コアコンディショニング協会のひめトレを使いますが、なくても出来ます。ただ専用のツールを使用することで誰でも簡単に効果的にエクササイズができ、数倍以上の効果を得られます。また上手くエクササイズが行えているか私が時々チェックしますので、より効率的にエクササイズできます。せっかくツールを持っていても、クローゼットで眠っていたり、自分流で適当なやり方をされてる方がよくおられます。産後こそ楽に続けれられて効果を感じられるツールを積極的に活用しましょう
こんなショボい体操でなんか変わるの?と思われるかもしれません。地球にはいつも重力がかかっているので、座るか立つかしていれば姿勢を保持するために常にインナーマッスルを使っています。それを利用しない手はありません。正しい姿勢を保ちながらの腹式呼吸は筋力が低下している人にとってはそんなにラクではないです。また運動嫌いさんはわざわざ運動したくはないので、簡単にながらでできるエクササイズが一番です。ただ継続は力なりは本当です。続けないと何も変わらないので…もしもご自身で続けられない方は、どしどし当院で施術を受けてください(笑)大歓迎でお待ちしております!いい姿勢で呼吸できてるかのチェックもいたしますよ!
院では個々の回復状態に合わせてエクササイズを取り入れていきます。運動をすることで脳からやる気ホルモン等のいいホルモンが分泌されるので、体にいいだけではなく心にもいい影響を与えます。心がよくなると体にもよい影響が出ます。それらの相乗効果で社会復帰に向けて気力体力作りをしていきます。簡単なものも真剣にやると難しいもので、簡単なエクササイズだからと侮れません。
産後のケアの重要性
昔は出産で命を落とすママも赤ちゃんも今よりずっと多かったのです。そして産後の肥立ちが悪かったり、赤ちゃんの生育が悪かったり、流行り病に伏せたりすることもよくありました。産後ののケアを侮ると年を取ってから後悔すると昔はよく耳にしたもので、私自身が言われたこともあります。
また出産で起こる病気や悪化する持病にも気を付けないといけません。子宮復古不全や、妊娠高血圧症後遺症、膀胱炎や腎盂炎、産褥熱、乳腺炎、脱肛、痔等はそのま産婦人科を受診されますが、例えば甲状腺疾患ではもともと疾患をお持ちの方はともかく、自覚のない方でも出産後に発症する場合もありますので、産後は注意するに越したことはありません。
精神面では産後うつにも気をつけねばなりません。自分が悪いのではなく、ホルモンバランスが乱れた時にちょっとしたきっかけで起こる症状です。誰でもその要素を持っていますので、もうあかんと感じた時には自分で全て抱え込まないで周囲に相談をしましょう。触れることで幸せホルモンが分泌されますので、整体もよい方法の一つです。他にも少子化の現代では妊娠から出産や産後に至って、様々なケアが手厚く用意されていますので、ご自身に合ったサービスを選んでご利用ください。こんな時こそ周囲の人や物をどんどん頼ってラクしてくださいね!
ご自身が思っている以上に妊娠出産は女性にとっては大仕事です。ママがツラいと赤ちゃんも安心できません。生まれて間もないベビーは動物に近い分、周囲への感受性はとても強いのでママのこともとてもよく感じ取ります。出産という女性の大きな仕事を終えた産後の身心を、まずはご本人自らいたわってあげてください。よう頑張った~お疲れさんと自画自賛しましょう!。そして赤ちゃんが最優先の毎日ですが、一日のほんのひとときでいいから自分のための時間を意識的に作りましょう。その時に腹式呼吸をするのもおススメです。全部が面倒な方は質の良い骨盤ベルトでサポートするのもおススメです。
女性整体師としての産後ケア
思い起こせばかつて自分も産後に不調が出てカイロプラクティックに通ったものでした。今この仕事を続けることになった発端でした。そのくらい自分の人生において大きな出来事で、それから20年程度は延々と子供が最優先の日々を送ったものでした。当時は今ほどケアが充実しておらずパソコンもなかったので、本や雑誌などで色々と知識を得ながら悪戦苦闘の日々でした。
近頃は急激にコンピュータ社会になってしまって体を動かすことが減り、姿勢が悪い人や体力筋力がない人が年代が下がるほど増えてきていて、とても由々しき事です。妊娠も出産も育児も気力も体力もいることです。昔は当たり前に問題なく出来ていたそれらのことが、人間の体が弱くなってきてしまい難しくなってきています。しかし今を生きる以上はそれに対応していくしかありません。昔のものでもいいところは今でも取り入れればいいと思います。
経験者は語るではありませんが、自分が経験したからこそ分かる部分もあると思います。うるさい小姑みたいにならないよう対応いたしますので、産後ママは安心して施術を受けてくださいね。
また当院は「心地良く調整する」をモットーとしていますので、ご安心ください。筋膜のバランス調整することが刺激となって自らの正しいバランス感覚を引き出し、無理なくよい状態に変わるよう導きます。日本人は痛い方が効くと感じる方も多いですが、基本的に痛いと感じる手技はその人が体を硬くしてしまいますので、深部にまで刺激が入りにくくなります。また個々によっては不快な気分になる場合もあります。痛いのが不快な方は一度お試ししてくださいね。
産後ママは赤ちゃんのことが一番気がかりですよね?今後もママ&ベビーについて更に学びを深めていき、情報のシェアをしていきたいと思います。
最近産後ママが続けて来られたので、こちらを先に記事にしました。