夏も姿勢が崩れやすい?動きたくない日のやさしい整え方

ソファでくつろぎながら、両腕を上げて気持ちよく背伸びをする女性

暑い日は、身体を動かす機会が減りやすい

暑さの中では、体温を一定に保つために、自律神経が働いています。
気温や湿度が高い日は、外へ出るだけでも疲れを感じやすくなります。
そのため、買い物や散歩を控えたり、家事をまとめて済ませたりして、自然と一日の活動量が少なくなる方もおられるでしょう。
冷房の効いた部屋で過ごす時間が増えると、座ったままスマートフォンを見たり、ソファにもたれたまま長く過ごしたりすることもあります。これは怠けているのではなく、暑さから身体を守ろうとする自然な選択でもあります。
身体を休ませることはもちろん大切ですが、同じ姿勢でいる時間が長くなると身体の一部に負担が偏り、夏も意外に姿勢が崩れやすくなることがあります。

同じ姿勢を長く続けすぎないように、時々は小さく姿勢を変えることも大切です。

同じ姿勢が続くと、身体の負担が偏りやすい

よい姿勢で座っていても同じ姿勢を長く続ければ、ずっと同じ筋肉や関節に負担がかかります。
逆に、少し姿勢が崩れていてもこまめに姿勢を変えられていれば、同じ箇所に負担が集中しにくくなります。

長く座っていると、首・肩・背中・腰・お尻などに不快感が出やすくなります。
それには単に「姿勢が悪い」ことだけでなく、同じ姿勢から動く機会が少ないことも関係しています。そのため、背筋を伸ばして正しい姿勢を固めるより、座り直す、立ち上がる、足を動かすなど、身体に別の動きを入れる方がよい場合があります。

身体は、動きながら自分の位置を感じている

私たちは目を閉じていても腕が上がっているのか膝が曲がっているのかを、ある程度感じることができます。自分の身体の位置や動きを感じる感覚は、体性感覚の一つである「固有感覚」と呼ばれます。筋肉の中には筋肉の長さの変化を感じ取る仕組みがあり、腱や関節、皮膚、足裏などからも、力の入り方や動き、圧の変化に関する情報が脳へ送られています。脳はそれらを組み合わせながら、今の身体がどのような状態にあるのかを捉えています。

同じ姿勢のままでは、身体から脳へ届く感覚情報の変化も少なくなります。背伸びをする、足指を動かす、身体をひねるなど、いつもと少し違う動きをすると、筋肉や関節、皮膚から入る感覚にも変化が生まれます。

これは、動けば必ず姿勢がよくなるという意味ではありません。自分の身体の位置や、動きやすい方向・動きにくい方向に気づくための手がかりになる、ということです。

小さな動きでも、脳へ感覚情報は届く

「運動しなければ」と思うと、筋力トレーニングや長時間のウォーキングを想像するかもしれません。しかし暑さで疲れている日に、無理をして強い運動をしようとは思いにくいものです。
世界保健機関(WHO)も、健康のための身体活動について「少しでも身体を動かす方が、まったく動かないよりよい」「すべての身体活動が大切」としています。
家事や移動、立ち上がるといった日常の小さな活動も、身体活動に含まれます。

まずは、次のような動きから試してみてください。

  • 両腕を上げて、ぐーっと気持ちよく背伸びをする
  • 椅子に座り、足指をゆっくりグーパーする
  • 呼吸を止めず、身体を心地よい範囲で左右へひねる
  • 椅子から一度立ち上がり、数回足踏みをして座り直す
  • 柔らかいボールやストレッチポールに身体をゆだね、小さく揺れる

回数や形を完璧にするより、「伸びて気持ちいい」「こちらの方が動きやすい」と感じられる範囲で行うことが大切です。痛みを我慢して大きく動かす必要はありません。

筋肉が動くことは、身体の巡りを助ける

筋肉が縮んだり緩んだりすると、その動きは静脈の血液が心臓へ戻る働きを助けます。
また、リンパ液の流れもリンパ管そのものの働きだけでなく、周囲の筋肉が動くことによって支えられています。

そのため、長く同じ姿勢でじっとしていた後に、足指や足首を動かしたり、立ち上がったりすると、身体が少し軽く感じられることがあります。

もちろん、小さな動きだけですべてのむくみや不調が改善するわけではありません。
強いむくみや痛み、息苦しさ、片側だけの腫れなどがある場合は、自己判断で運動を続けず、医療機関へ相談してください。

自分で動くことと、人にゆだねることの両方を

疲れているときは、自分から身体を動かすことさえ負担に感じることがあります。
人の手にゆだね、身体に入っている力をゆるめる整体も、選択肢のひとつです。
身体の力が少し抜けたあと、その日の状態に合わせて無理のない動きを入れると、自分の身体の感覚を確認しやすくなります。
当院では、頑張って鍛えることを目的とするのではなく、整体と心地よい動きを組み合わせ、回復しやすい身体づくりを支えています。

たまには、自分の身体を奏でるように

暑くて動きたくない日は、何もしない自分を責める必要はありません。
しっかり休みながら、背伸びをひとつ、足指を数回動かすだけでも構いません。

運動量や回数にこだわらず、自分の身体が心地よいと感じる方向へ。たまには、自分の身体を奏でるように動いてみてはいかがでしょうか。

~眠ってちゃんと回復する身体へ~

※動いている途中に痛み、めまい、動悸、息苦しさなどが出た場合は中止してください。熱中症が疑われる場合は運動や整体を優先せず、涼しい場所へ移動して身体を冷やし、水分・塩分を補給し、必要に応じて医療機関を受診してください。