ちゃんと食べているつもりでも?残暑の食事にひとつ足す小さな工夫

朝晩は少し涼しくなってきても日中はまだ暑く、暑さがぶり返すこともあります。
食欲が落ちる方もいれば、そうでない方もおられますが、長く続いた暑さで献立を考えたり、買い物や料理をしたりするのが億劫になることはありませんか?
冷たい麺類や、パン、丼ものなど、手軽に食べられるものが続くうちに、食事量は足りていても、組み合わせが単調になっていることがあります。
今回は夏の疲れを5つの視点から考えるシリーズの3つ目として、残暑の身体を支える食べ方を栄養の視点からお伝えします。
残暑のころは、食事の組み合わせが偏りやすい
暑い時期に、のど越しのよいものや濃い味のもの、調理のいらない食事を選びたくなるのは、決して意志が弱いからではありません。暑さの中で毎日の家事や仕事を続けるための、現実的な選択でもあります。
ただ、麺だけ、パンだけ、ごはんだけという食事が重なると、主食に比べて、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜や、野菜・きのこ・海藻などの副菜が少なくなりがちです。
大切なのは、「今日は何が少なかったかな」と、一日を通した食事内容を振り返ることです。決して自分を責めることではありません。
「食べている量」と「必要な栄養がそろうこと」は別
食事の量が足りていても、同じような食品が続けば、身体に必要な栄養素の取り方が偏る場合があります。
栄養の話でよく使われる「PFC」は、次の3つのエネルギー産生栄養素を表します。
- P(Protein/たんぱく質):筋肉や皮膚、酵素など、身体をつくり保つ材料になる
- F(Fat/脂質):効率のよいエネルギー源となり、細胞膜などの材料にもなる
- C(Carbohydrate/炭水化物):身体や脳を動かすための主なエネルギー源になる
さらにビタミンやミネラル、食物繊維なども、身体の働きを支えるために欠かせません。
PFCだけを数字どおりに揃えればよいのではなく、いろいろな食品の組み合わせを楽しむ視点が大切です。
なお、疲労感だけから『血液中の栄養が足りない』『ホルモンが不足している』と決めることはできません。強い疲れが続く場合には、栄養以外の原因も含めて考える必要があります。
麺やパン、ごはんだけの日には「ひとつ足す」
毎食すべてを整えようとすると、かえって負担になります。まずはいつもの食事に一品だけ足してみましょう。
たんぱく質なら、魚、大豆・大豆製品、卵、鶏肉、豚肉、牛肉など。
炭水化物なら、米、雑穀、大麦やもち麦、オートミール、いも類、パンや麺などから取ることができます。
脂質は量だけでなく、種類も意識したい栄養素です。
肉の脂などに多い飽和脂肪酸に偏りすぎず、青魚に含まれるn-3系脂肪酸や、オリーブ油などに多いオレイン酸も取り入れてみましょう。
ただし油は種類を問わずエネルギーが高いため、使いすぎには注意が必要です。
例えば、次のような組み合わせがあります。
- 麺には、卵・お揚げ・ちりめんじゃこ・サラダチキン等と、薬味や海藻、冷凍野菜などを添える。
- パンには、卵・チーズ・ヨーグルト・豆乳等と、スープや果物を添える。
- ごはんには、豆類・魚・肉のおかずのどれかと、できれば野菜の小鉢やみそ汁を。
定食に近い組み合わせが理想です。
どれか一つだけが正解なのではありません。体調や持病、取り入れやすさに合わせて、無理のない選択肢を増やしていきましょう。
冷たいものが続いたら、温かい汁物も選択肢に
冷たい食べ物や飲み物が、すべての人のお腹に負担になるわけではありません。
ただ、中にはお腹の冷えや張り、ゆるさが気になる方もおられます。
胃腸の調子が気になる時は、飲み物を冷たすぎない温度にしたり、常温のものを選んだり、温かいみそ汁やスープを添えるのも一つの方法です。
汁物に豆腐や卵、野菜、きのこなどを入れれば、一品で食事の組み合わせも変えられます。
一方、暑い環境では水分補給を我慢しないことが大切です。
温かいものを無理に取るのではなく、その日の気温と体調に合わせて選んでください。
すべてをそろえなくても、今できることから
忙しい日や疲れている日に、毎回きちんと料理を作る必要はありません。総菜、缶詰、冷凍食品、納豆、豆腐なども、食事を支える立派な選択肢です。
『麺だけだったから卵を足す』『パンだけだったからスープを添える』。その程度の工夫でも、食事の組み合わせは変わります。
食べることも、休息と回復の土台になる
身体を回復させるためには眠って休むことだけでなく、身体の働きを保つための材料を食事から取ることも必要です。
整体で身体の緊張をゆるめて休みやすい状態へ整えることも、毎日の食事で回復の材料を工夫して取り入れることも、重なり合って身体を支えていきます。
当院では整体を軸に、『眠ってちゃんと回復する身体へ』という考えのもと、休息・動き・栄養など、日々の回復を支える視点も発信しています。
季節の変わり目に向けて、身体へ回復の材料を
残暑の頃は、これまでの暑さによる疲れが残る一方で、朝晩と日中の気温差に身体がついていきにくいと感じる方もおられます。
いつもの食事にひとつ加えるだけでも、満足感や食べる楽しさが広がります。
できることから少しずつ、日々の休息と回復を食事の面から支えていきましょう。
~眠ってちゃんと回復する身体へ~
※食欲不振や下痢・嘔吐、体重減少、強いだるさが続く場合は、自己判断で食事だけを調整せず医療機関へ相談してください。めまい、頭痛、吐き気、意識がぼんやりするなど熱中症が疑われる場合は、整体を優先せず、涼しい場所へ移動して身体を冷やし、水分・塩分を補給し、必要に応じて救急要請や医療機関の受診をしてください。
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