自然界からの贈り物
太古の昔、動物が傷を負った時に泥を傷口にこすりつけたり、消化不良を起こした時に泥を食べたりするのを見た人間が効果を知り、真似て用いるようになりました。その後は世界のあちらこちらで伝承されました。例えばエジプトではミイラの保存にアロマのミルラと共に用いられたり、ドイツのクナイプ牧師が療法に取り入れたことが、文献等により残されています。
クレイテラピーはアロマセラピーと共に主にヨーロッパで発展し、自然療法が伝承療法として浸透しているフランスやドイツなどでは、現在も日本の漢方薬のように内服薬としても販売されています。日本では20世紀の終わり頃にアロマテラピーが広く認知され、クレイテラピーはあまり浸透せずにそのほとんどは美容や癒しとして利用されています。サロンでは美容よりも健康のためのケアとしてその作用を利用します。
クレイの構造
鉱物学的にいえば、クレイは岩石や鉱物が風化・変成し出来た2マイクロメートル以下の粒子のことを指し、なおかつ層の構造を持つものです。その層と数はクレイの種類によって異なり、いくつかの構成元素でできています。大部分は結晶で、層状構造を持った含水ケイ酸塩鉱物が主になります。クレイには主にケイ酸、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム等が含まれます。クレイの分子は四面体と八面体が結合して表面がマイナスに帯電しています。マイナスに帯電する元素はプラスイオンを取り込みます。クレイの種類によっては陽イオンを取り込むだけではなく、他の陽イオンと交換されるものもあります。化学的な話になりましたが、クレイを肌に用いることで、その浸透圧作用で不要な物質を吸着・吸収したり、皮膚からミネラルが吸収される作用が期待できます。
クレイのもつ作用(浸透圧作用)
- 瘢痕形成作用
- 洗浄作用
- 抗菌作用
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用
- 代謝促進作用
- 収斂作用
- 余分な水分の吸収
- ミネラルの補給
- 電磁波による疲労軽減